新潟県佐渡市両津夷で2日早朝に発生し、3人が亡くなった火災について、県警は3日、全焼10棟、部分焼3棟、焼失面積を約2500平方メートルと発表した。県警と佐渡市消防本部は同日も現場検証を行い、火元を、亡くなった無職池田弘平さん(75)方と断定した。全焼した池田さん方は鉄筋コンクリート3階建てと棟続きの木造2階建て約680平方メートルからなり、木造部分1階の食堂と台所、浴室のあった部分が激しく焼失していた。県警ではここを中心に出火の原因を調べている。
佐渡東署や市消防本部によると、弘平さんと妻慶子さん(73)、横浜市から帰省していた次男の会社員聡さん(45)の3人はコンクリート造り部分の2階寝室で、心肺停止状態で倒れているところを消防隊員に発見され、搬送された。
出火当時、池田さん方には同じく帰省していた長男一家3人もいて、聡さんを含めて木造部分の2階で寝ていたとみられる。聡さんは出火後、一度は戸外に逃れたとの目撃証言があり、両親を助けるため家の中に戻り、寝室に向かったとみられる。県警は死因について4日に新潟大学で調べる予定だ。
この火災では商店街の中心部が焼けた。佐渡市によると、出火当時住んでいた8世帯20人のうち、6世帯15人は親類宅、2世帯5人は市の紹介した宿泊施設に避難した。必要な生活物資については支援し、今後については、希望者に住宅をあっせんする方針だ。
断続的に雪が降る現場では、焼け残った日用品などを回収する被災者の姿が見られた。両津夷本町商店街協同組合の中沢健之助理事長は「もともと営業をやめる店が多かった地域。今回の火災が商店街に与える影響は大きい。地域の再建策を考えなければならないが……」と肩を落としていた。(古西洋)