３日の地震で最大震度６弱を観測した熊本県和水町では、町が開設した２カ所の避難所に一時、１９世帯２７人が身を寄せた。３年前の熊本地震も記憶に新しい中、住民らは不安な夜を過ごし、４日朝、全員が帰宅した。

同町江田の中央公民館では１１世帯１７人が一夜を明かした。地震発生時は自宅で夕食を食べていたという同町江栗の荒木誠さん（４１）は「熊本地震の本震と同じくらい揺れがひどかった」と話す。

大きな揺れの後、１日余りして本震があった熊本地震の経験から「どれが本震か分からない」と、同居する母と祖母と３人でためらわず避難した。集まった住民はテレビのニュースで情報を集めるなど不安な様子だったという。荒木さんらは横になったが、他の避難者の話し声が耳に入るなどして落ち着けず、よく眠れなかったという。

和水町米渡尾（めどお）の無職宮本祥子さん（５８）と父武蔵さん（８５）は足が悪く避難をためらったが、近所の住民のすすめでタクシーを使い避難所に向かった。「父は早く帰りたいと話していた。余震がないか心配で夜も眠れなかった」と疲れた表情を浮かべていた。（清水優志、尾立史仁）