カナダのトルドー首相は7日、トランプ米大統領と電話会談し、「安全を脅かした」として中国に拘束されたカナダ人2人の早期釈放を働きかけていく考えで一致した。カナダが逮捕した中国の通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)幹部の米国引き渡しについては、司法の独立と法治を尊重することも確認した。
カナダは昨年12月1日、米国の要請を受けて華為の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者をバンクーバーで逮捕。孟氏は保釈されたが、カナダの裁判所が米国引き渡しの是非を判断するまで出国を禁じられた。この逮捕に中国が猛反発。直後に欧州のシンクタンク職員で休職中のカナダ人外交官ら2人が中国で拘束された。
カナダ首相府は「米国の引き渡し要請について話し合った」と発表し、孟氏の名指しはしなかった。米側では国務省がカナダ人拘束に「深い懸念」を表明するなどしており、トルドー首相は「カナダを支持する強い声明」に謝意を示した。(ニューヨーク=鵜飼啓)