福島第一原子力発電所事故後から続く中国による日本産食品の輸入規制のうち、新潟県産米については解除され、今月9日に出荷が再開される。政府は再開をてこに「2019年の農林水産物と食品の輸出額1兆円」の目標達成に拍車をかける。
中国政府は原発事故後、食品の安全を理由に日本産食品の輸入を規制。今も新潟や福島、東京など10都県の食品の輸入規制が続くが、日本政府の要請を受けて昨年11月、新潟県産米の規制は解除された。
今回の出荷再開では、JA全農の子会社がコシヒカリの精米1トンを出荷し、1月末から中国・上海の提携先企業の店で販売する。通関手続きの状況などをみて出荷を増やす。8日の横浜市での式典でJA全農の神出元一理事長は、「今回の輸出再開は『はじめの一歩』だ」と話した。
原発事故による日本産食品の輸入規制は徐々に緩和されてきたが、今も中国や香港、マカオ、韓国、シンガポール、台湾、米国、フィリピンの8カ国・地域で規制が残る。吉川貴盛農水相は、「行き続き規制緩和に向けて努力していく」と話した。(大日向寛文)