東京都品川区立の小中一貫校に通っていた中学1年の男子生徒(当時12)が2012年に自殺したのは同級生のいじめが原因だったとして、両親が同級生や区などに計約9千万円の損害賠償を求めた訴訟の和解が9日、東京地裁(中吉徹郎裁判長)で成立した。原告側によると、いじめと自殺の因果関係は盛り込まれなかったが、同級生側と区が解決金を支払う内容だという。
和解内容には、同級生らは自分たちの行為で生徒の心が傷ついたことを認める▽当時の担任は、生徒がいじめを複数回訴えたのに十分に調査しなかったことを認める▽区は再発防止策を誠実に実施する――なども含まれた。和解成立後に会見をした生徒の父親(47)は「被告の生徒に自分の行為を考えさせる内容になっており、納得している」と評価。「いじめは命に関わる重大な過ち。教師や親はいじめを受けている子の目線に立ってあげてほしい」と求めた。
原告側によると、男子生徒は別の小学校を卒業後、12年4月に同校に入学した直後から、暴力を受けたり、名字に「菌」を付けて呼ばれたりするいじめを受け、同年9月に自殺をした。両親は14年2月、同学年の生徒14人と保護者、当時の担任と校長、区、都を相手取って提訴していた。
区教委が設置した調査対策委員…