2024年度から勤務医に適用される残業時間の罰則つき上限について、一部の特定の医療機関に勤める医師では年1900~2千時間の水準とする案を厚生労働省がまとめたことがわかった。35年度末までの特例として検討する。一部の医師が続けている長時間労働を追認する形となり、異論も出そうだ。
医師不足の地域、残業時間の上限を緩和 厚労省が提案
対象は、地域医療への影響が懸念され、救急・在宅医療など緊急性の高い医療に対応する全国の施設を想定。業務がやむなく長時間になる医師に限る。ほかの一般勤務医の上限は年960時間とする。新年度以降、企業に適用される上限は、休日労働を含めて年最大960時間。特例ではこれらの2倍もの長い残業が認められることになる。
医師の働き方改革を議論する検討会に11日に提案し、年度末までに結論を出す方針という。
案では、複数の月で平均80時間超という脳・心臓疾患の労災認定基準の残業時間を考慮し、勤務医は年960時間を上限とする。
この上限まで残業を減らすと診療に大きく影響する場合に特例を認め、年1900~2千時間程度以内で検討する。この場合、月平均約160時間となり、1カ月だけで精神障害の労災認定基準に匹敵する。特例は医師不足や勤務環境の改善を進めながら段階的に引き下げることも検討する。月当たりの上限はいずれも100時間とするが、例外を認める。
年2千時間という突出した長さ…