関西医科大学(大阪府枚方市)は7日、前立腺がんの手術後に起きる男性の尿漏れを専門に診る「男性尿失禁外来」を開設したと発表した。関西医大によると、こうした専門外来は日本の医療機関で初めてという。
自分の意思と関係なく尿が漏れてしまう「尿失禁」は女性に多く、国内の40~50代女性の2~3人に1人が経験しているとの研究もある。一方、男性は女性より尿失禁は少ないものの、前立腺がんの手術後に尿失禁に悩む人が1万人以上いるという。
新たに開設した外来では、通常の泌尿器科では対応が難しい術後の重症患者を主な対象にする。前立腺の摘出手術は国内で年間約2万件あり、多くの患者が尿漏れを経験する。1年後にはほとんどの人が改善するが、深刻な状況が続く人が1~3%いるという。
尿を止める筋肉や神経が傷つくことが原因で、重症の場合、尿漏れをしにくくする医療機器を体内に植え込む手術もあるが、この手術ができる医療機関は限られているという。
木下秀文・病院教授(泌尿器科)は「専門外来があることを知ってもらい、悩んでいる人が集まるよう期待している」と話している。専門外来は毎月奇数週の土曜日午前。問い合わせは大学病院の代表072・804・0101。(合田禄)