厚生労働省は26日、2017年度に全国の自治体などが確認した障害者への虐待は前年度より98件多い2618件だったと発表した。3年連続の増加。1件で複数の人が虐待を受ける場合もあり、被害者数は346人増の3544人、死亡者数は4人減の1人だった。虐待件数と被害者数は調査が始まった12年度以降最多で、厚労省担当者は「警察や施設からの虐待報告が増えている」とする。
家族など養護者による虐待は19件増の1557件、被害者は16人増の1570人で、このうち1人が死亡した。雇用主や職場の上司らによる虐待は16件増の597件、被害者は336人増の1308人。また、障害者福祉施設の職員らによる虐待は63件増の464件、被害者は6人減の666人だった。養護者による虐待は12年度からほぼ横ばいが続くが、雇用主らは4・5倍、施設職員は5・8倍に増えている。
施設での虐待の発生要因(複数回答)は、職員らの「教育・知識・介護技術などの問題」(59・7%)が最多。このほか「倫理観や理念の欠如」(53・5%)、「職員のストレスや感情コントロールの問題」(47・2%)などだった。(佐藤啓介)