9日のニューヨーク株式市場は、米中通商協議の進展や米利上げ観測の後退を受け、大企業でつくるダウ工業株平均が4営業日連続で上昇した。終値は前日比91・67ドル(0・39%)高い2万3879・12ドル。昨年12月半ば以来の高値となり、この年末年始に世界経済減速への懸念やトランプ米政権の混乱を受けて急落していた分を取り戻した。
ハイテク株中心のナスダック市場の総合指数も続伸し、同60・08ポイント(0・87%)高い6957・08で終えた。
北京で開かれていた米中の次官級通商協議は9日に終わり、中国の市場開放などをめぐり進展があった模様で、市場では米中摩擦緩和への期待が高まった。
米連邦準備制度理事会(FRB)がこの日午後に発表した昨年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨も相場を支えた。複数の参加者が「今後の政策判断は慎重になる余地がある」と指摘。最近の金融市場の動揺も踏まえ、利上げペースを緩める用意があることを示唆した。
一方、米・メキシコ国境の「壁」建設をめぐり、トランプ氏と野党・民主党執行部の協議が決裂。米連邦政府の一部閉鎖が長引く見込みとなったことが重しとなり、株価の上げ幅は限定的だった。(ニューヨーク=江渕崇)