18日のニューヨーク商業取引所で、石油価格の国際的な指標とされる「米国産WTI原油」の先物価格が急落し、前日比3・64ドル(7・3%)安い1バレル=46・24ドルで取引を終えた。2017年8月末以来、ほぼ1年4カ月ぶりの安値水準。その後の時間外取引では1バレル=45ドル台をつける場面もあった。
世界経済の減速懸念などもあり、石油在庫がだぶつくことへの警戒感が広がる中、WTI先物は17日に1バレル=50ドルを1年2カ月ぶりに割り込んでいた。
17日には米エネルギー情報局(EIA)が、米国のシェールオイル生産が年末までに過去最高水準に達するとの見通しを公表。加えて、ロシアの12月の産油量が過去最高を記録したようだとロイター通信が報道した。ロシアは来年1月から新たな協調減産に入ることを石油輸出国機構(OPEC)と合意しているが、その実効性への疑念が生じ、需給が緩むとの見方がさらに強まった。
WTI先物は10月初旬に1バレル=75ドルを上回る水準だった。そこから2カ月半で4割近く下落したことになる。専門家の間では「不安定な市場環境が続けば、来週にかけて44ドル台前半を試す展開になる」(米商品アナリストのケイリー・アータック氏)との見方が出ている。(ニューヨーク=江渕崇)