日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が私的な損失を日産に付け替えたなどとして逮捕された特別背任事件で、東京地裁(丹羽敏彦裁判長)は10日、勾留の取り消し請求が却下されたことを不服として弁護側が申し立てた準抗告を棄却した。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
地裁は8日、勾留の理由を開示する法廷で、「罪証隠滅や逃亡の恐れがある」と説明。前会長側は無罪を訴え、開示手続きの後に勾留の取り消しを請求した。地裁が9日にこの請求を却下したため、弁護側が準抗告していた。準抗告に対する判断は、地裁の別の裁判官が担当した。
ゴーン前会長が東京地検特捜部に最初に逮捕されたのは昨年11月19日。3回目の逮捕となった特別背任容疑での勾留期限は11日で、身柄の拘束は少なくとも54日間に及ぶ見通しだ。