生後1カ月の長男に暴行を加え、「揺さぶられっ子症候群」(SBS)により半年後に死亡させたとして、神奈川県警は10日、父親(26)を傷害致死の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。逮捕前の任意の調べに父親は「気づくと呼吸をしていなかったので揺さぶってしまった」と説明したという。
捜査関係者によると、父親は2016年12月中旬、神奈川県厚木市の自宅で、強く揺さぶるなど長男に暴行を加え、重度の脳障害を負わせて17年6月13日に死亡させた疑いがある。
一家は当時、妻、長男との3人暮らしだったという。搬送先の病院がSBSを疑い、児童相談所に通報した。
児相は虐待の可能性があると判断し、入院した長男を一時保護。容体が安定して退院し、長男の祖父母が同居した後も、定期的に訪問するなど様子を確認し、問題は見当たらなかったという。
ただその後、長男が死亡。児相と情報を共有していた県警は司法解剖の結果を受け、複数の専門医から意見を聴くなど捜査を進め、16年12月の暴行が死亡につながったとみている。(神宮司実玲、伊藤和也)