悪臭を放つ動物として知られるスカンク。その姿を見ると肉食動物も恐れをなして逃げ出すという。では、どんな臭いなのか。6頭の「シマスカンク」を飼育、展示している神戸どうぶつ王国(神戸市)の協力で、360度撮影と臭い体験をさせてもらった。
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シマスカンクは米国の草地や森林地帯に生息。黒い毛で覆われ、顔に白い線、背中に2本に分かれる白い筋があるのが特徴だ。
「スカンクの強烈な臭いはオナラではなく、肛門(こうもん)の両脇にある肛門腺から噴出される分泌液なんです」と飼育員の石坂未樹さん。園で飼育しているスカンクは生後数カ月で、液体を分泌する袋状の臭腺(しゅうせん)を取り除いているので安心だという。
「せっかくなので嗅いでみますか」。何重にもポリ袋に入れられた容器を手にバックヤードから出てきた石坂さん。その容器の中には、昨年生まれた赤ちゃんの除去した臭腺が入っている。
そっとフタを開けてもらい、手で軽くあおいだ瞬間、強い刺激臭に襲われた。臭いは周囲にも拡散し、数メートル離れていた関係者も「うわ、臭い」。例えるなら、タマネギやニンニクが焦げて混じったような感じ? とにかく、今まで経験したことがない強烈な臭いだった。
スカンクは臆病な性格で、危険と感じた時に液を発射するが、その前に、尻尾を立てて肛門を見せたり、逆立ちしたりして警告するという。人間の皮膚に付着するとしばらく臭いが消えず、衣服の場合は廃棄処分になるという。(竹谷俊之)