「社会の役に立っていると感じられるとき、喜びの気持ちがわく」と話すチョウトゥーさん=2018年12月、ミャンマー・バガン、染田屋竜太撮影
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仏教徒が人口の約9割を占めるミャンマーで、貧しさから家族らの葬儀を諦める人たちを、無償で支えてきた「おくりびと」がいる。日本製の中古霊柩(れいきゅう)車で遺体を斎場などに運び、清める。20年間にわたる草の根支援に共鳴して手伝う仲間は約500人まで増え、政府の手が回らぬ貧困支援の一翼を担っている。
最大都市ヤンゴンに住む国民的俳優のチョウトゥーさん(59)。こわもてのひげ面に腕のタトゥー。これまでにボランティアで18万件の葬儀を手がけてきた。
賛同者の寄付金で購入した日本の中古霊柩(れいきゅう)車。「あの車を使ってほしい」というリクエストも多い=5日、ヤンゴン、いずれも染田屋竜太撮影
ヤンゴン郊外の事務所には毎日のように依頼の電話が入る。十数人のスタッフと棺おけをそろえ、病院などで受け取った遺体を清める。その方法は、知人の勧めで見た日本映画「おくりびと」を参考にした。葬儀で僧侶に贈る花や食べ物を準備し、火葬場まで遺体を運ぶ。経費は月5千万チャット(約360万円)に上る賛同者の寄付金でまかなう。
活動のきっかけは20年前、あ…