ポーランドの捜査当局は、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の現地法人社員と、ポーランド治安当局の元関係者の計2人をスパイ容疑で逮捕した。ロイター通信などが11日、報じた。
報道によると、ファーウェイ社員は中国人、治安当局元関係者はポーランド人で、8日に拘束されたという。最高で10年の禁錮刑を科される可能性がある。地元メディアによると、中国人の社員は容疑を否認し、供述も拒んでいるという。
地元捜査当局はファーウェイの現地事務所や元関係者が働くフランスの通信会社オレンジの現地法人事務所などを家宅捜索した。
ファーウェイは「我々はどの国でも法律を順守し、従業員にもそれを求めている」との声明を出した。共産党系の国際情報紙・環球時報(電子版)は11日夜、現地の中国大使館が逮捕された中国人はファーウェイ社員だと確認し、重大な関心を持っていると報じた。ポーランド外務省側と面会し、法に従って公正に扱うよう要求したとしている。
ファーウェイを巡っては、中国政府のスパイ活動に使われている可能性があるとして、米国などが製品の締め出しに動いている。昨年12月には、孟晩舟副会長兼最高財務責任者が米国の対イラン制裁に違反したなどとして、米国の要請を受けたカナダ当局に逮捕された。(ベルリン=高野弦、北京=延与光貞)