「国家機密情報に触れた」としてミャンマーのロイター通信記者2人が懲役7年の実刑判決を受けたことをめぐり、記者側から上訴を受けていたミャンマーの高等裁判所は11日、一審の判決が妥当とする判断を示した。ミャンマーは三審制で、最高裁判所まで上訴することができる。
ロイター記者の実刑判決、強まる批判 米副大統領も投稿
2人は2017年12月、警察官から機密文書を受け取ったなどとして逮捕、起訴され、18年9月に実刑判決を受けた。2人は「渡された文書を見ていない」「機密とされた情報の多くは国営メディアで報じられている」などと無罪を主張。昨年11月、高裁に上訴していた。ロイター通信は高裁の判断に対し11日、「権力が事実を隠蔽(いんぺい)しようとしている」との声明を出した。
2人は、約70万人が難民となったミャンマーの少数派イスラム教徒ロヒンギャが国軍兵士に殺害された事件を取材していたことから、欧米各国は「言論弾圧だ」として逮捕や判決を批判していた。(バンコク=染田屋竜太)