高級外車「フェラーリ」の売却益を隠し、約2700万円を脱税したとして、自動車用品販売会社「トワイス」(埼玉県伊奈町)と古谷野直彦社長(53)が、関東信越国税局からさいたま地検に法人税法違反容疑で告発されたことがわかった。
関係者によると、古谷野社長は2015年2月期と17年2月期に、社有車のフェラーリ2台を売却して多額の利益を得たが、実際より安い取引価格を記したうその売買契約書を作成するなどして約1億1300万円の所得を隠し、脱税した疑いがある。
隠した資金は現金で保管したほか、一部は遊興費などに充てていたとされる。信用調査会社によると、同社は大手チェーン「イエローハット」の店舗をフランチャイズで運営し、18年2月期の売上高は7億円。同社は取材に回答しなかった。
生産台数の少ない限定モデルの外車は愛好家や富裕層に人気があり、数億円の価格で取引されることもあるという。関係者によると、一昨年から各地の国税局が、フェラーリなどの高級車の取引に関連した個人・法人計約20件の税務調査を実施。自動車販売会社や都内の歯科医師らが売却益を申告しなかったり、架空の手数料を計上して利益を圧縮したりしたとして、総額20億円超の申告漏れや所得隠しを指摘されたという。(花野雄太)