神戸市中央区の諏訪山公園ビーナスブリッジでは17日、「早朝追悼のつどい」があり、阪神・淡路大震災の発生時刻午前5時46分に合わせ、鎮魂のトランペットの音が響き渡った。実行委員会メンバーの高齢化で、今年で幕を閉じる。
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阪神大震災24年、追悼の祈り 「つなぐ」竹灯籠に灯火
つどいには例年の倍近い約200人が集まり、トランペット奏者の松平晃さん(76)=川崎市=が「花の街」を奏でる間、黙禱(もくとう)した。震災の前日まで神戸に滞在していた松平さんは「これからもラッパを吹くようにと生かされたのだと思い、鎮魂や被災者を元気づけるため演奏を続けてきた。残念です」と語った。
実行委員長の安田秋成さん(93)は「街並みは変わったが、亡くなった人を『神戸はここですよ』といざなうトランペットだった。つどいが終わってもここが震災を思い出す場になれば」と願う。
参加者は「神戸・希望の鐘」も順番についた。鐘は震災から15年の時に「記憶の風化が心配」と立本寺(甲府市)の石原顕正(けんしょう)住職(67)がつくった。実行委は今後も日中の追悼行事で鐘を鳴らし続けるという。石原さんは「様々な災害が起きる恐れのある中、阪神の経験を未来へいかさなければならない」と語った。(川田惇史)