日本郵便の契約社員と正社員の手当と休暇の待遇格差が争われた訴訟で、大阪高裁(中本敏嗣裁判長)は24日、雇用期間が5年を超えるかどうかで格差の是非を判断する新たな基準を示した。
訴訟は、大阪や広島などの契約社員8人(うち1人は退職)が正社員と同じ仕事をしているのに、手当や休暇制度に格差があるのは労働契約法違反だとして、同社に未払い分など約4200万円の支払いなどを求めたもの。昨年2月の一審・大阪地裁判決は契約社員に年末年始手当などが支給されない格差は不合理だとして、同社に約300万円の支払いを命じた。
しかし、高裁判決は同手当などについて、原告のうち雇用期間が5年以下の男性1人に関しては「必要に応じて柔軟に労働力を確保するための短期雇用」と指摘。正社員と格差があっても、ただちに不合理とはいえないと判断した。
一方、一審判決が判断を示さなかった夏期・冬期休暇や病気休暇の格差については、雇用期間が5年超の原告7人と正社員との格差は「不合理」と認定。一審判決よりも損害賠償額を増やし、約430万円の支払いを命じた。
ただ、一審が不合理と認めた扶養手当の格差については「長期雇用を前提とした生活手当」として、「不合理とはいえない」とする逆の判断を示した。
正社員と非正社員の格差をめぐ…