ルノーが24日の取締役会後に出した声明によると、スナール新会長が同社を代表して、日産自動車と三菱自動車の今後の提携をめぐる議論にあたる。スナール氏は近く、ルノーにプラスになるような新たな3社の提携案をルノーの取締役会に提案する、という。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
スナール氏は24日、取締役会後に本社で開いた会見で、「私に課された大きな仕事の一つは、アライアンスの議論を、日産と三菱自とただちに始めることだ」と語った。
日産との関係については、ゴーン前会長が逮捕・起訴されたことを念頭に「とりわけ大変な出来事が起きた後では、平穏な関係が大切だ」と強調。「(日産との)提携が結ばれ、もうじき20年になる。二十歳と言えば成熟した年齢であり、これまでの提携を支えてきた協調と信頼のムードをさらに強固にし、関係を最大限調和の取れたものにしたい」と語った。ゴーン被告の解任方針や今後の提携方針をめぐるすれ違いで傷ついた両社の関係修復に努める考えを示したものだ。(パリ=疋田多揚)
仏政権と良好な関係
仏ルノーでカルロス・ゴーン被告の後任会長に決まったジャンドミニク・スナール氏(仏タイヤ大手ミシュラン最高経営責任者)は、仏政権と良好な関係にあり、マクロン大統領にも近いとされている。
マクロン大統領は2018年1月、仏中部のミシュランの研究所を訪れ、「経済的成功は社会的な対話なくしてなしえない。ミシュランは生産性と社会的対話を重視する会社の完璧な例だ」と発言。スナール氏率いるミシュランを高く評価した。
スナール氏はこの年春、経営者団体のフランス企業運動(MEDEF)の会長への立候補を検討していた際も、マクロン大統領の支持を得ていた。
現在国会で審議中の「企業成長のための行動計画法案」では、18年3月に法案の参考資料となるリポートをルメール経済・財務相に提出したこともある。