米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、埋め立ての賛否を問う県民投票(2月24日投開票)について、県議会の全会派が24日、選択肢を賛否の2択から「どちらでもない」を加えた3択にすることで合意した。不参加を表明している5市長も3択案に前向きといい、全県で実施される公算が大きくなった。
本土との溝、基地問題の行方は…沖縄はいま
新里米吉議長が24日、県議会の会派代表者会議で、3択案を説明。与党3会派に加え、公明、維新が賛意を示した。野党の自民はいったん持ち帰り、その後「やむをえない」「反対」「どちらとも言えない」の新たな3択案を提示した。だが他会派の賛同を得られず、夜になって議長案を受け入れた。
3択にするには、臨時県議会での条例改正が必要。29日に臨時県議会を開き、改正条例案を全会一致で可決する。
県民投票をめぐっては、沖縄、うるま、宜野湾、宮古島、石垣の5市長が、関連予算案を議会が認めなかったことなどを根拠に「実施しない」と表明。有権者の3割が投票できない事態が危惧される中、公明が打開案として、3択にすることを新里議長に提案した。
不参加を表明している5市長のうち沖縄、うるま、宜野湾の3市長は24日、県議会が全会一致で3択案を可決すれば、参加する意向を示した。
県は2月14日告示、24日投開票の日程は現時点では延期しない方針。ただ、首長が不参加の意向だった5市では、投票所入場券の発注などの準備作業が遅れており、一部で日程を1週間後にずらすことも検討している。(山下龍一、伊藤和行)