ひったくりの被害に遭ったとうそをついて警察官を出動させたとして、愛知県警は24日、住所不定の無職の男(28)を偽計業務妨害の疑いで緊急逮捕し、発表した。男は「カバンをなくし、たくさんの警察官に捜してもらうためだった」と供述しているという。
一宮署によると、男は23日午後10時40分ごろ、愛知県一宮市浅井町の駐車場で、車で通りかかった男性に「コンビニエンスストア前でオートバイによるひったくりに遭った」とうそをついて男性に110番通報させ、署員を出動させるなどして警察の業務を妨害した疑いがある。
捜査などのため、一宮署やその近隣4署、機動捜査隊などから計数十人の警察官が出動したという。防犯カメラを解析したり聞き込みをしたりしたが、ひったくりの形跡はなく、通報から約40分後にうそと判明した。
名古屋市内では昨年12月からひったくりが60件以上発生し、県警が警戒を強めている。一宮署は「今回のような虚偽の申告で、真に対応すべき事案に対応できなくなることを懸念している。悪質な虚偽通報には毅然(きぜん)と対応する」とコメントした。(竹井周平)