「うる星やつら」「めぞん一刻」「らんま1/2」「犬夜叉(いぬやしゃ)」などで知られる漫画家の高橋留美子さん(61)が、フランスの第46回アングレーム国際漫画祭でグランプリに選ばれた。「漫画界のカンヌ」とも呼ばれる祭典で、漫画の発展に貢献した作家にグランプリが贈られる。日本人では2015年の大友克洋さん以来、2人目。
1672人の漫画家による投票で決まった。同祭は公式サイトで、高橋さんが女性の漫画家としては珍しく、少年漫画を活躍の場にしてきたことを紹介。「漫画のしきたりを初めて超え、少年漫画の女王になった」と評した。
高橋さんの絵は「手塚治虫の特徴を柔らかく現代化している」とも指摘。日本のことわざ「出る杭は打たれる」を引き合いに出し、「違いを好まない社会の中で、高橋さんは常にアウトサイダーや変人に焦点をあて、彼らにもチャンスがあることを示そうとしてきた。コメディーでありながらとても進歩的な作品で、欠点はあっても人間味にあふれる登場人物たちが世代を超えて読者に愛されている」と論評している。
高橋さんは24日、「この度は栄誉ある賞をありがとうございます。今後の創作活動の励みになります。ありがとうございました」とコメントを出した。週刊少年サンデー編集部(小学館)によると、高橋さんは17年に「境界のRINNE」の連載を終えたが、今春、同誌で新連載が始まる予定だという。(加藤勇介)