青森県おいらせ町の住宅に昨年11月、航空自衛隊三沢基地の大型トラックが突っ込んだ事故で、防衛省は24日、運転手の男性3等空曹(30代)が事故直前に意識を失って運転不能になったとする調査結果を発表した。事故後の検査で、一時的に意識を失う持病があったことが分かったという。
自衛隊の大型車両が住宅に突っ込む 隊員2人負傷 青森
防衛省によると、大型トラックは昨年11月7日午前8時半ごろ、国道338号をそれて住宅に突っ込んだ。助手席にいた男性2等空曹(30代)は調査に対し、「事故現場の手前で右カーブにさしかかったのに速度が落ちなかったため、運転手に声をかけたが、反応がなかった」と証言しているという。2人は両足を打撲するなどした。住宅の住人は留守だった。
事故前、3等空曹は持病に気づいていなかった。同僚は、意識低下を疑わせるしぐさを見たことがあったが、病気とは思わなかったという。
こうしたことから防衛省は、脳の疾患、心臓の不整脈、低血糖症、睡眠時無呼吸症候群など、自覚症状なく意識を失う可能性のある疾病について、周囲が気づいて早期受診を促せるよう自衛隊内で教育を徹底するという。防衛省はプライバシーを理由に、3等空曹の病名を明らかにしていない。
丸茂吉成航空幕僚長は「被害者に誠心誠意対応し、再発防止に取り組む」などとするコメントを出した。(古城博隆)