米軍と反政府勢力タリバーンの戦闘が続くアフガニスタンをめぐり、在アフガニスタン米大使館は28日、「(米国とタリバーンは)主要議題について大筋合意することを決めた」との声明を出した。タリバーン幹部によると、合意は米軍撤退についてという。合意について米当局が公式に認めるのは初めて。
声明は、タリバーンとの交渉にあたっている米国のカリルザード和平担当特使の言葉を米大使館が発表したもの。中東カタールで開かれた和平協議について「大きな進展があった。紛争を終わらせる機会を得た」と成果を強調した。
声明で合意の詳細は明かされなかったが、協議に参加したタリバーン幹部によると、タリバーンがアフガニスタンでの国際テロ組織の活動を許さない代わりに、米国が米軍約1万4千人を完全撤退させる内容だという。
今後は停戦の時期や、タリバーンとアフガン政府との和解の進め方などが焦点となる。即時停戦を求める米国と、米軍撤退後の停戦を主張するタリバーンとの意見の溝は埋まっていない。両者は近く作業部会を設けて論点をすり合わせた上で、再協議に臨む予定だという。(イスラマバード=乗京真知)