総務省と厚生労働省は28日、厚労省所管の基幹統計「賃金構造基本統計」で、厚労省が総務相に届け出た調査計画では「調査員」が調査するとしていたのに、実際は対象となる約8万事業所のほぼ全てに対し「郵送」で配布や回収を行っていたと発表した。調査対象であるバーやキャバレーなどを対象から外していたことも明らかにした。
厚労省の担当者は28日夜の記者会見で、理由や動機について「調査中」と繰り返した。総務相の承認と異なる調査方法だったため、統計法違反に問われる可能性もある。
賃金構造基本統計は、事業所を通じて労働者の雇用形態や勤続年数などに応じた賃金を調査するもの。毎年6月分の賃金について全国の労働局などが調査している。しかし、現場の裁量で締め切りを早めているところもあった。
調査計画では調査対象に産業分類「宿泊業、飲食サービス業」を入れていたが、その小分類で本来は調査すべき「バー、キャバレー、ナイトクラブ」を調査対象から除外していた。
同統計は、労災給付の水準を決める際に使われている。厚労省の担当者は、給付額に「変更がないとは断言できない」とし、総務省の統計委員会に判断してもらうと説明した。
総務省は、毎月勤労統計をめぐ…