米紙ウォールストリート・ジャーナルは13日、トランプ政権が昨秋、イランへの軍事行動を一時検討していたと伝えた。実際には攻撃はなされなかったが、トランプ政権の対イランの強硬姿勢を示す動きだ。
同紙によると、イラク首都バグダッドで昨年9月上旬、米国大使館などが集まる地区に迫撃砲3発が撃ち込まれた。撃ち込んだのは、イランと関係する武装勢力とされる。
空き地に着弾したため、人的被害はなかったが、ボルトン大統領補佐官らが主導して強硬な対抗処置を協議。ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)は、イランを攻撃する軍事攻撃の選択肢について作戦案を提示するように国防総省に指示したという。
NSCの指示は、国防総省や国務省の中に懸念を広げた。ただ、トランプ大統領が指示を認識していたかは不明だという。また、作戦案が具体的にどの程度練られたかも分かっていない。
攻撃検討を主導したとみられるボルトン氏は対イラン強硬派として知られる。大統領補佐官に就任前には、イランへの軍事攻撃を提唱していた。(ワシントン=杉山正)