第198回通常国会が28日召集され、安倍晋三首相は施政方針演説を同日午後、衆参両院で行う。首相は「毎月勤労統計」の不正調査問題について、「セーフティーネットへの信頼を損なうものであり、国民の皆さまにおわび申し上げる」と陳謝する。
【詳報】24日の厚労委閉会中審査
通常国会は6月26日までの150日間。政府は28日の臨時閣議で、首相の演説案や新年度当初予算案を決定し、予算案を国会に提出した。4月に統一地方選、夏に参院選を控える中、政府は混乱を避けるために通常国会への提出法案を58本に絞った。対する野党は今回の統計問題を最大の焦点とし、追及する構えだ。
毎月勤労統計をめぐっては、外部有識者による特別監察委員会が行ったとしていた検証作業で、厚生労働省職員への聞き取りの一部を、同省官房長ら「身内」が担っていたことが発覚。検証の「第三者性」に疑念が生じ、厚生労働省は再検証を行う。政府が点検したところ、基幹統計の4割にあたる22統計にも問題があったことが判明し、統計の信頼性が揺らぐ深刻な事態になっている。
首相は演説で「統計の信頼回復に向け、徹底した検証を行っていく」と強調する。毎月勤労統計の不正が響いた延べ2015万人への雇用保険や労災保険などの過少給付については、「できる限り速やかに、簡便な手続きで不足分をお支払いする」と理解を求める。
10月に予定する10%への消…