米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、県による埋め立て承認の撤回の効力を国土交通相が停止した決定は違法だとして、辺野古の周辺住民16人が29日、国を相手取り、決定の取り消しを求める訴訟を那覇地裁に起こした。効力停止決定の執行停止も地裁に申し立てた。
本土との溝、基地問題の行方は…沖縄はいま
訴状によると、原告側は、県の埋め立て承認の撤回に対し沖縄防衛局が、本来は国民を救済するための行政不服審査法に基づいて国交相に審査請求したことについて「請求する資格がなく違法だ」と主張。「国が不服を申し立て国が判断するというお手盛りの自己審査は、明らかに不当で地方自治の根幹を揺るがす」と指摘している。
執行停止決定をめぐっては、県が総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」に申し出て、審査が続いている。(伊藤和行)