全国の私鉄73社が加盟する日本民営鉄道協会が毎年調査している「駅と電車内の迷惑行為ランキング」で2018年度、「荷物の持ち方・置き方」が初めてトップになった。昨年12月に同協会が発表した。中でもやり玉に挙がったのがリュックサックだ。
昨年度まで9年連続でトップだったのは「騒々しい会話・はしゃぎまわり(36・9%)」。だが、「荷物の持ち方・置き方」が10年度(13・3%)から伸び続け、今年度初めて逆転しトップに。過去最高の37・3%を占めた。
内訳では「背中や肩のリュックサック・ショルダーバッグ等」が66・2%と大半を占めた。広報担当者は「リュックは体積が大きい上に、背負っていると気づかない間に人にぶつかりやすく、特に迷惑に感じる人が多いようだ。乗客どうしのトラブルの引き金になり、遅延にもつながる」と話す。鉄道各社は、リュックは前に抱えたり網棚に上げたりするよう、ポスターや車内放送などで呼びかけている。JR東日本では「他の人が背負ったリュックにぶつかった」「乗降の妨げになっている」といった苦情が寄せられているといい、「増加傾向だと認識している」(広報担当者)という。
ただ、こうした呼びかけに違和感を覚えた人も。日本社会を「世間」という切り口で研究する佐藤直樹・九州工業大名誉教授は「リュックの前持ちは、海外の防犯対策というイメージだった。鉄道会社が大々的な呼びかけまでするのはクレームを防ぐためなのだろうが、行きすぎるとやっていない人への非難の目も強まり、息苦しくなる。マナーとして個人がやればいいことなのでは」という。
なぜ、リュックにまつわるトラ…