テストの結果で校長を評価する――。大阪市が新年度以降に新たな人事評価制度を導入することに、評価される現場の校長はどのような思いなのか。
生徒のテスト結果を校長評価に反映へ 大阪市教委が方針
テスト結果で校長を人事評価、尾木直樹さん「短絡的だ」
大阪市内の公立中の校長の一人は「塾であれば、成績によって評価されることはあるだろう。でも、経済格差と学力に関係があると言われる中、公立校は生徒も家庭も選べない。学校は人間性の育成なども求められている。成績ばかりが重視されると、特別支援学級の生徒たちへの指導に影響が出る恐れもある。テストの点数だけで給料をもらっているわけではない。このような制度になれば、校長のなり手がいなくなる」と話す。
別の公立中の校長は「全国学力調査で大阪市が全国的に低いままではよいとはいえず、生徒の成績を上げる考え方自体には同意する」としたうえで、「成績が重視されることで、生徒たちが窮屈になっていないかが心配だ。目に見えないプレッシャーがあるかもしれない。生徒たちにしわ寄せがいかないような仕組みに仕上げてもらいたい」と語った。(金子元希)