日本銀行は29日、リーマン・ショック時の2008年下半期(7~12月)の金融政策決定会合の議事録を公開した。ショック後も世界の協調利下げに参加せず景気の先行きを見極めようとしたが、株価急落と円高で10月下旬、約7年7カ月ぶりの利下げに転じた。議事録では、少しでも金利を残したい白川方明(まさあき)総裁(当時)と他の出席者の激しい議論が明らかになった。
米金融大手リーマン・ブラザーズは9月に破綻(はたん)。市場が混乱する中でも、白川総裁ら執行部は利下げに慎重だった。政策金利は0・5%と十分に低く、効果は限定的だとみていた。
だが日経平均株価は一時7千円を割り、1ドル=90円の円高水準となった。政府からも利下げへの期待が強まった。10月31日の会合では8人の政策委員のうち7人が利下げ方向で一致。ただ下げ幅で対立した。
白川総裁ら4人は「金融市場の…