一般社団法人「Colabo」代表 仁藤夢乃さん(29)
夜の帳(とばり)が下り、色とりどりのネオンがまぶしい東京・新宿の歌舞伎町。新宿区役所前にド派手なピンクのマイクロバスを止め、その横で、10代の女子限定の無料カフェを開いている。
ピンクのテントの中で、制服姿の数人がお菓子を食べながら携帯電話をいじったりおしゃべりしたりする中、遠慮気味に入って来た少女がいた。
「初めて? 温かいおでんがあるよ。お菓子も。遠慮しないでね」
少しだけ笑みを見せてうなずく少女を、すぐに招き入れた。
昨年10月から「Colabo」が運営する「Tsubomi Cafe」だ。夜の街をさまよう少女たちを支援する国と東京都のモデル事業に選ばれ、水曜の午後6時から10時まで原則月に2回ずつ、新宿と渋谷・神宮通公園で交互に開設する。お弁当やおにぎり、おでん、お菓子などが用意され、携帯電話の充電もできる。化粧品や生理用品、衣類なども無料でもらえる。
「困ったことがあったら、スタッフに声をかけて。LINEで連絡くれてもいいし」。さらりと声をかける。
毎回、20人前後の少女が足を運ぶ。半数は中学生だ。何回も来てただ時間を過ごす子もいれば、「家に帰りたくない」「親に殴られる」などと相談する子もいる。西日本から家出してきて所持金100円の16歳もいた。丁寧に話を聞き、緊急性があるときは宿泊先を確保。弁護士に相談し、必要なら児童相談所や支援団体などにつなげる。
かつては自身が月に25日は渋谷にたむろする高校生だった。酒もたばこもやり、漫画喫茶やビルの屋上で夜を明かした。
声をかけてくるのは、体目的の…