津軽海峡を望む青森県むつ市の4万平方メートルの土地をめぐり、青森地裁で高額入札の競売が繰り返されている。評価額は715万円に過ぎないが、15億円の値がついたこともある。背景を探ると、使用済み核燃料の中間貯蔵施設にからむ思惑が見えてきた。
土地は下北半島にあり、海岸まで約200メートルの平地にある。不動産登記簿などによると、東京都内の会社の所有で、地目は原野。接する道路はない。周囲には牧草地などが広がる。
青森地裁は、土地を担保に金を貸した債権者からの申し立てを受け、2016年8月に競売開始を決めた。地裁が選んだ不動産鑑定士は、土地の評価額を715万4千円とはじいた。
ところが、1回目の競売(17年6月)は5者が参加して評価額の200倍を超える15億円で落札された。2回目(17年11月)は6者の参加で5億100万円、3回目(18年5月)は4者が参加し、徳島県の会社が6億1千万円で落とした。いずれも期限内に落札額が払われなかったとみられ、売却に至らなかった。
昨年10月の4回目の入札には…