会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)が31日、東京拘置所で仏AFP通信と仏経済紙レゼコーの取材に応じ、「保釈が認められないのは、民主主義社会において正常とは言えないことだ」などと訴えた。昨年11月の逮捕以降初めての外国メディアによるインタビューとして、同通信が伝えた。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
同通信によると、ゴーン前会長は起訴内容を否定した上で、「報告せずに受け取ったお金は1円もない」と主張した。その上で、自らの処遇について「なぜ私は有罪になる前から処罰されているのか。圧倒的に不利な状況だ」と言及。「数百人以上が日産でこの事件に専念し、検察庁にも70人がいる。一方、私は70日以上も拘置所だ。電話もコンピューターもなく、どう自身を弁護できると言うのか」と嘆いた。
日産側がゴーン前会長の不正を主張していることについては「私の評判をおとしめるために事実をねじ曲げている」と憤りを示し、「これは裏切りのストーリーだ」と言った。日産と仏ルノーの経営統合を進めようとしたことが、日産の日本人幹部の反感を買ったとの見方を示し、「両社を統合するプロジェクトについて、反対と不安が存在していた」と話した。