まるで筋力トレーニングをするかのように、重い物を持ち上げた後に栄養分を取り込むと強度が増してより重い物を持ち上げられるようになる特殊なゲルを、北海道大の龔剣萍(グンチェンピン)教授らの研究チームが開発した。1日付の米科学誌「サイエンス」電子版(
http://science.sciencemag.org/content/363/6426/504
)に研究成果を発表した。
チームによると、鉄や輪ゴムなど身の回りにある材料のほとんどは繰り返し力が加わると徐々に耐久性が失われる。そのため、劣化しないよう自己修復する人工素材の研究が世界中で進んでいる。
龔教授らは、負荷のかかる部位が丈夫になっていく素材を開発した。開発したゲルは成分の90%が水分なのに、内部の分子同士が網目状に絡まり、ゴムに匹敵する強度がある。
栄養分にあたる高分子の液体の中でゲルにおもりを付けて筋力トレーニングをするように引っ張った。すると、ゲルの強度は引っ張る前の1・5倍、硬さが23倍になった。繰り返すたびに丈夫になり、より重いおもりを持ち上げられるようになったという。
おもりを持ち上げるときに内部…