トランプ米大統領が2月末に、中国の習近平(シーチンピン)国家主席と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長とのダブル首脳会談にのぞみ、「成果」を得ようとの姿勢を強めている。メキシコ国境の壁建設は議会の抵抗を受けて挫折するなど、米国内は厳しい状況になり、外交・通商の目先の成果で巻き返そうと前のめりになっている。
「これは、とてつもなくデカいディール(取引)だ」。トランプ氏は1月31日、ホワイトハウスの大統領執務室に、中国の劉鶴(リウホー)副首相を招き、高揚感を隠さなかった。
記者団の前で、習氏からの親書が朗読された。
「初めて会った時から、長いつきあいのように感じていた」「この前の電話で、あなたは米国産の農産物を中国にもっと買って欲しいと言った。いくつか手配しました」
トランプ氏は「美しい手紙だ」と絶賛。劉氏も、米産大豆を大量に買うことを約束し、「大統領と習主席の戦略的指導によって、成功に満ちたディールをまとめられる」と持ち上げた。
トランプ氏は会談前、記者団に…