岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」で、入所していた高齢者5人が相次いで死傷した事件。発覚から1年5カ月、元職員の男の逮捕で事態は動き出した。岐阜県警は全容解明を進める。
入所者5人が相次いで死傷したのは2017年7月末~8月中旬。この5人に異変があったすべての日に出勤していた職員として、当初から小鳥(おどり)剛容疑者(33)の存在が浮上していた。当時、報道陣の取材に応じた小鳥容疑者は5人の死傷への関与について「やっていないです」と、きっぱり否定していた。
岐阜県警や複数の関係者によると、小鳥容疑者は、高山市内にある別の介護老人保健施設を経て、16年8月から「それいゆ」に勤務。入所者の食事やおむつ交換などを担当していた。
「それいゆ」を運営する医療法人・同仁会の折茂謙一理事長は問題の発覚当初、「まじめでおだやか。問題行動があったなどは聞いていない」と朝日新聞の取材に話していた。
だが、折茂理事長は当初から、小鳥容疑者が死傷した5人に異変が起きた時すべてに出勤していたことを把握していた。「(報道陣の取材で)騒がれて、ほかの職員にも迷惑になる」。小鳥容疑者をこう諭して退職を促したという。小鳥容疑者は17年8月17日付で施設を辞めた。
@K:介護施設の元職員を傷害容疑で逮捕 岐阜の5人死傷
「それいゆ」に勤務する前に働…