三菱マテリアルの子会社3社が品質データを改ざんしたとして不正競争防止法違反(虚偽表示)の罪に問われた事件で、東京簡裁は5日、ダイヤメット(新潟市)と前社長・安竹睦実被告(60)に対し、それぞれ求刑通りの罰金5千万円と罰金200万円の判決を言い渡した。中谷雄二郎裁判官は「納期を守ることを最優先にした結果、未検査や改ざんを常態化させていた」と述べた。起訴された子会社3社のうち判決が言い渡されたのは初めて。
判決によると、安竹前社長は従業員と共謀して2017年1月~18年1月、自動車向け金属部品について、寸法を書き換えたり所定の検査をしなかったりして虚偽の検査書79通を作った。中谷裁判官は「不適合品を自動車に組み込ませてメーカーの信用を傷つけ、製造業全体への信用をも失墜させかねない事態を招いた」と指摘した。
今月6日には三菱アルミニウム、8日には三菱電線工業と前社長の判決が言い渡される予定。(阿部峻介)