日本大アメリカンフットボール部の悪質タックル問題で、警視庁は5日、内田正人・前監督(63)と井上奨(つとむ)・元コーチ(30)に「容疑はない」とする捜査結果の書類を東京地検立川支部に送付し、発表した。傷害容疑で両氏の告訴状が出されていたが、試合映像の解析や部員ら関係者への聴取結果などから、「タックルをした選手との共謀や選手への教唆の事実はなかった」と判断した。
指示なし「理解できない」日大タックル、警察結論に波紋
場面ごとに映像分析 たどり着いた「前監督に容疑なし」
上意下達・物言えぬ空気… 悪質タックルが照らした問題
タックルをした日大の男子選手(20)については同日、傷害の疑いで書類送検した。タックルされた関西学院大の選手側とはすでに示談が成立しており、警視庁は検察に起訴の判断を委ねる「相当処分」の意見を付けた。日大選手は両氏から「けがをさせろ」と指示されたと主張していたが、警視庁は、両氏の指導を誤認したと結論づけた。
警視庁は関係者計195人への聞き取りをした。捜査1課によれば、関東学生アメフト連盟(関東学連)と日大の第三者委員会の調査は、日大の部員らへの聞き取りなどから両氏の指示があったと認定していたが、この調査に応じた部員の多くが警視庁の調べに「報道を見て(タックルした)選手のためになんとかしなくてはいけない、選手の話に沿うように証言しなくては、と思った」などと説明。指示を直接聞いた人は確認されなかったとしている。
関東学連などの調査では、選手…