非自民を掲げてきた細野豪志衆院議員=静岡5区=が自民党二階派(志帥会、44人)に入ったことをめぐる騒動が収まらない。自民党静岡県連の国会議員団は6日、細野氏と議席を争ってきた元職の支援を続ける方針を決定。10日の党大会を前に、党幹部を巻き込んだ軋轢(あつれき)が生じている。
「うろうろ迷惑だ」 二階派・細野氏、自民の火種に?
自民党本部で6日にあった静岡県連(会長・牧野京夫参院議員)の会合には、衆参9人の国会議員が集まった。議題は、衆院静岡5区で争ってきた細野氏の二階派入りへの対応で、「党のあり方が問われている」などと批判が続出。牧野氏は会合後、記者団に「全員一致で吉川(赳・元衆院議員)さんを支援することを決めた」と説明した。会合に出席したベテランの一人は「派閥だからって何をしてもいいわけじゃない。二階(俊博・幹事長)さんもやり過ぎだ」と吐き捨てた。
旧民主党出身の細野氏は同派入りを足がかりにした自民入党をねらう。同派を率いる二階氏は5日の記者会見で「自民党は謙虚に受け入れる雅量がなければダメだ」と述べ、細野氏の入党を歓迎した。
ただ、静岡5区では岸田文雄政調会長率いる岸田派(宏池会、48人)の吉川氏が次期衆院選に向けて活動中。細野氏は別の選挙区からの立候補を強く否定しており、調整もままならない事態に陥っている。岸田氏は6日、視察先の群馬県内で記者団の取材に応じ、「マスコミ情報しか持っていない」と不快感をにじませ、「静岡5区には正式な自民党の支部長がいる。宏池会のメンバーだ。支部長、宏池会の同志は大事にしなければならない」と牽制(けんせい)した。
細野氏への反発は、一昨年の衆院選を前に小池百合子・東京都知事率いる「希望の党」を結党した時のメンバーだったことも一因だ。小池氏と対立する自民党東京都連の下村博文・元文部科学相は「(細野氏は)新たな火種になりうる」と指摘。東京24区選出の萩生田光一幹事長代行も「簡単に入れるほど自民党はやわではない」と釘を刺す。
一方、二階派が意に介す様子は…