大西氏、昨年12月19日に次官らに報告
いま国会招致中 統計不正の「重要人物」大西氏とは?
厚生労働省の大西康之・前政策統括官が8日の衆院予算委員会に参考人として出席した。同省の「毎月勤労統計」の不正調査について、大西氏は昨年12月18日に担当部局の参事官が、厚労審議官、官房長、総括審議官に報告。19日には大西氏が事務次官、厚労審議官、官房長に報告したことを明らかにした。
立憲民主党の川内博史氏の質問に答えた。大西氏は同省の「賃金構造基本統計」の不正調査の報告漏れを理由に更迭され、1日付で大臣官房付。同氏の参考人招致については、7日に与野党が合意していた。
大西氏、知ったのは「12月13日だった」
厚生労働省の大西康之・前政策統括官は8日の衆院予算委員会で、同省の「毎月勤労統計」の不正調査を知ったのは「(昨年)12月13日だった」と述べた。
特別監察委員長「答弁は差し控えたい」
厚生労働省の「毎月勤労統計」の不正調査を検証する特別監察委員会の樋口美雄委員長は、8日の衆院予算委員会で「(委員会へは)労働政策研究・研修機構理事長として呼ばれていると認識している。答弁は差し控えたい」と述べた。
立憲民主党会派の大串博志氏の質問に対する発言。
官房長「私に聞いて」 立憲批判「のり超えている」
8日の衆院予算委員会で、厚生労働省の「毎月勤労統計」の不正調査を検証する特別監察委員会の樋口美雄委員長について、同省の定塚由美子官房長は「労働政策研究・研修機構理事長として(委員会に)呼ばれている。監察委員会については私に聞いて下さい」と述べた。
これに対し、立憲民主党会派の大串博志氏は「私に聞けというのはおかしい。なぜ官僚に言われないといけないのか。のりを超えている」と問題視。定塚氏はすぐに「大変失礼しました。申し訳ありません」と陳謝した。
自民、大西氏の出席求めず
衆院予算委員会は8日、新年度予算案の基本的質疑に入った。厚生労働省の統計部門を束ねていた同省の大西康之・前政策統括官(1日付で大臣官房付)を参考人として招致し、午後に野党が質問する。大西氏について、午前に質問した自民党は参考人としての出席を要求しなかった。午後の公明党も求めていない。
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参考人と政府参考人
衆参両院の各委員会は議決すれば、対象者を「政府参考人」や「参考人」として国会に招致することができる。
衆参両院の規則で、「政府参考人」は「技術的、専門的な説明が必要」と定められている。主に公務員が対象で、慣例として局長級が呼ばれることが多い。
一方、「参考人」の肩書は定められていない。
どちらも証人喚問とは異なり、出席は任意。虚偽証言をしても偽証罪には問われない。