九州電力は13日、玄海原発2号機(佐賀県玄海町、出力55万9千キロワット)の廃炉を決め、立地自治体に報告した。2011年3月の東京電力福島第一原発事故の後に必要になったテロ対策施設の用地を確保できないという。2号機は老朽化し、出力はすでに再稼働した3、4号機の半分に満たない。再稼働させても安全対策費を回収するのは難しい、との判断もあった。
福島の事故当時、国内には原発が54基あった。このうち、すでに再稼働したのは9基。一方、廃炉やその方針が決まったのは玄海2号機で21基目となる。玄海1号機(出力55万9千キロワット)も15年に廃炉が決まるなど、古くて小さな原発が目立つ。
政府は、現在は10%に満たないとみられる全発電量に占める原発の割合を、30年度に20~22%に引き上げることをめざす。そのためには30基ほどの再稼働が必要といい、実現は遠い。
九電の池辺和弘社長は13日、佐賀県庁と玄海町役場を訪れ、廃炉にすると報告した。廃炉の費用は約365億円。30年ほどかかるとみられる廃炉作業の計画を今後、原子力規制委員会に出す。
玄海2号機の運転開始は198…