会社法違反(特別背任)の罪などで起訴された日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告の弁護人に、13日付で弘中惇一郎弁護士が就いた。数々の著名事件で無罪を勝ち取り、「無罪請負人」の異名をとる。検察側とゴーン前会長との全面対決の構図は、より鮮明になりそうだ。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
これまで弁護人を務めていた元東京地検特捜部長の大鶴基成弁護士は同日、辞任した。弘中氏は弁護人に就いたことを明らかにした上で、報道陣に「(検察と)争う方針は変わらない。どう主張するかはこれから考える」と話した。ほかにも複数の弁護人が就き、主任弁護人は河津博史弁護士が務めるという。
弘中氏は東大法学部在学中に司法試験に合格。1970年に弁護士登録した。ロス疑惑銃撃事件や薬害エイズ事件のほか、郵便不正事件の村木厚子・元厚生労働省局長、「陸山会」事件で強制起訴された小沢一郎氏の弁護人を務め、いずれも無罪を勝ち取った。「無罪請負人」という著書もある。検事として特捜部での勤務経験が長い大鶴氏とは、経歴が大きく異なる。その経歴はこの日、「カミソリ」「腕利き」などとして外国メディアにも紹介された。
ロイター通信によると、ゴーン…