海外で人気のペダル付き原動機付き自転車「モペット」。見た目は電動アシスト自転車とよく似ているが、日本で乗るには免許が必要だ。ただ、海外では無免許で乗れる国もあり、思わぬトラブルも。何が起きているのか。
警視庁福生署は1月24日、モペットに乗っていたベトナム国籍の専門学校生の女性(23)を道路交通法違反(無免許運転)の疑いで書類送検した。同署は昨年4月に女性に警告。その後も女性は、「学校やバイトに行くのに便利」と乗り続けていたという。
公益社団法人ベトナム協会(東京都港区)によると、ベトナム国内ではモペットは無免許での運転が認められており、多くの高校生が通学に使っている。小川弘行常務理事(73)は「日本でも同じ感覚で乗ってしまったのではないか」と話す。
同署は昨年3~11月、モペットを無免許で運転した、として管内(東京都福生市、羽村市など)で92人に警告した。うち91人が外国人。ほとんどが免許が必要と知らなかったという。NPO法人自転車活用推進研究会(東京都品川区)の小林成基理事長(69)は外国人への周知不足が背景にある、と指摘。「いきなり取り締まるのではなく、ルールを教える場を作ることが必要では」と訴える。
モペットはガソリンや電気で動く原動機が付くなどしたもので、日本では「原付きバイク」に分類される。このため公道を走るには運転免許が必要で、ヘルメットの着用も義務。動力をとめ、ペダルをこいで進む場合も同様だ。一方、広く普及している電動アシスト自転車は道交法上は自転車と同じ「軽車両」。ペダルをこがないと走行しない構造で、時速24キロ以上ではアシスト機能が働かなくなることなども定められている。
日本国内でも戦後の一時期、モ…