職員に対する暴言を認め、謝罪する泉房穂氏=2019年1月29日、兵庫県明石市役所
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国道用地の買収の遅れに激高し、「(建物に)火つけてこい」と職員に暴言を浴びせた兵庫県明石市長。録音データが明らかになり、今月2日に辞職した。だが、市役所には暴言への批判よりも、「一生懸命だからこそ」と擁護の声が多く届いているという。パワハラ問題の専門家はこうした状況に危機感を抱く。
暴言があったのは2017年6月。市長だった泉房穂(ふさほ)氏(55)が担当幹部を市長室に呼び、立ち退き交渉の遅れを問いただす中で、怒声を浴びせた。泉氏は「感情をコントロールできなかった」と言う。
辞職表明の会見で頭を下げる泉房穂氏=2019年2月1日、兵庫県明石市役所
報道各社が1月29日、録音データをもとに暴言を報じると、市役所に電話やメールが殺到した。9割が泉氏への批判。だが翌日には泉氏を擁護する意見が急増。今月8日までの集計では、批判962件に対し、擁護1202件となった。
朝日新聞が入手した録音は約1分半。だが暴言には続きがあった。泉氏は「市民の安全のためやろ」「役所はしんどい仕事をするんや」とも発言。地元紙の神戸新聞などが、これらの発言を含むより長時間の録音内容を報じると、暴言には理由があると考えた人が増えたようだ。
SNSでも「こいつら(職員)仕事もせんとおったわけでしょ? 暴言浴びせられても仕方ない」「言い方はきついけど間違ってない」などの投稿が続いた。
企業向けにハラスメント防止の…