「GAFA(ガーファ)」と呼ばれるグーグルやアップル、フェイスブック、アマゾンなどの巨大IT企業に各国の国税当局が思うように法人税を課せずにいる中、36カ国でつくる経済協力開発機構(OECD)が新たな三つの課税案を公表した。2020年までに国際的な課税ルールの合意をめざしており、6月に日本で初めて開かれる主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも主要議題になる見通しだ。
3案について、OECDは3月1日まで企業や業界団体から意見を募集している。その後、関係国で統一ルールの合意に向けた作業の進め方を詰め、G20に報告することにしている。
ルールづくりを急ぐのは、巨大IT企業が世界中の利用者から巨額の利益を得ているにもかかわらず、現在のルールでは各国が十分に課税できないからだ。
現在のルールでは、国内に支店や工場など物理的な拠点がある国で法人税を納めるのが原則で、物理的な拠点がなければ法人税は課せない。たとえばアマゾンの場合、日本の消費者を相手に動画や電子書籍を販売して利益をあげても、配信拠点が海外にあるため、配信事業については日本で法人税を払わずに済む。
実際、欧州連合(EU)内でデジタル事業を営む企業の実効税率は平均9・5%と、一般的な企業の23・2%を大きく下回るといったデータもある。
OECDが公表した3案は、国…