千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(10)が死亡し、両親が傷害容疑で逮捕された事件で、県柏児童相談所や野田市などの連携や対応が適切だったかを検証する県の第三者委員会「児童虐待死亡事例等検証委員会」の初会合が21日、千葉県庁で開かれた。虐待リスクの上昇を認識しながら、児相が心愛さんの帰宅を了承した経緯などの解明が最大の焦点だ。
すでに検証作業を始めている厚生労働省や文部科学省の担当者も同席した。森田健作知事は検証委に先立ち、「こういう事件を二度と起こしてはいけない。徹底的な原因究明を通して、再発防止策をしっかりと検討したい」と述べた。
心愛さんを巡っては、柏児相が昨年2月28日の会議で、虐待のリスクが高まったと認識しながら親族宅からの帰宅を了承した。このころ、既に帰宅していた可能性も浮上しているが、28日の会議資料が不完全なことなどから、詳細は分かっていない。心愛さんの帰宅後も、柏児相や野田市は家庭訪問などで安否確認をしておらず、経緯の解明が求められる。