米朝、なぜ再び首脳会談? 北朝鮮が狙う「核保有国」化——贯通日本资讯频道
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米朝、なぜ再び首脳会談? 北朝鮮が狙う「核保有国」化

ベトナム・ハノイで27、28日、米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が約8カ月ぶりに会談する。停滞する北朝鮮の非核化をめぐり、双方は協議に向けてどんな戦略を描いているのか。核廃棄に必要となるプロセスとともに紹介する。


北朝鮮、首脳間の決断期待か 会談へ実務協議の進展なし


「私と金委員長の関係はとても良い。(米朝首脳会談の)協議はとても実のあるものになるだろう」


トランプ氏は20日、米ホワイトハウスで記者団にこう語った。国内では自身の「ロシア疑惑」の捜査が大詰めを迎えるなど、政権運営が困難に直面。対北朝鮮外交で得点を挙げて支持を回復させようと狙い、自ら再会談の開催を主導した。


米国、既に譲歩重ねる


複数の米情報機関の分析では、北朝鮮は昨年6月のシンガポールでの首脳会談後も核ミサイル開発を継続。ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は再会談の理由を「(北朝鮮が非核化の)約束に従っていないためだ」と語る。


このため、米国務省のビーガン北朝鮮政策特別代表ら米側の実務者は、再会談を通じて、北朝鮮を確実に非核化路線に戻し、具体的な非核化措置を約束させることを目指している。


北朝鮮に開発の継続を許した最大の原因は、昨年6月の首脳会談だった。米国は、正恩氏に共同声明で「朝鮮半島の完全な非核化」を約束させたものの、声明には、何を実現すれば「非核化」とみなすのかという定義すら記されていない。その後の実務者協議で、非核化を最優先で実現するよう求めた米側に、北朝鮮側は「強盗のような要求」と猛反発し、交渉は停滞を余儀なくされた。


非核化に向けた進展が見えぬため、米側の実務者らは当初、再度の首脳会談に消極的だったが、トランプ氏によるトップダウン方式で、開催が決まった。トランプ氏は正恩氏との関係であれば、局面が打開できると考えたとみられる。


再会談に向け、米側は、完全な非核化の実現まで北朝鮮側に与えないとしていた「見返り」を、非核化が段階的に進めばその都度与える方針に転換。全ての核ミサイル関連施設の完全な申告を引き続き要求しつつも、非核化交渉の前提条件とはしない方針へと後退させた。いずれも北朝鮮の主張に譲歩した内容だ。


トランプ氏は今回、正恩氏との単独会談も予定する。ただ、北朝鮮にどこまで譲歩するかは見通せない。仮に北朝鮮が強く求める一部制裁の緩和を先行させれば、北朝鮮の非核化を促す圧力が揺るぎかねない事態となる。


米国の外交安保専門家は、今回の首脳会談を北朝鮮の非核化に向けた重大な試金石とみている。「我々には1回目の『見せ物』のような声明を2回も出す余裕はない」(ジュン・パク元CIA上席分析官)などと、失敗は許されないという厳しい見方が強い。(ワシントン=園田耕司)


「見返り」直接交渉頼み


「いつでも、また米大統領と対座する準備ができている」。正恩氏は元旦に発表した「新年の辞」でトランプ氏との再会談に意欲を示した。一方で、「米国が約束を守らず制裁と圧力を続けるなら、我々も新しい道を模索せざるを得なくなる」とも牽制(けんせい)した。


正恩氏はトランプ氏との初会談を控えた昨年5月、米韓メディアの立ち会いのもとで豊渓里(プンゲリ)の核実験場を爆破した。翌6月の米朝首脳会談での「朝鮮半島の非核化」合意を受け、同7月には、共同声明に盛られた米兵の遺骨を返還。米国が「相応の措置」を行えば、寧辺(ヨンビョン)核施設の廃棄も可能だという考えも表明した。


正恩氏にとって今年は「国家経済発展5カ年戦略(2016~20年)の要の年」だ。トランプ氏との合意を守る姿勢をアピールし、経済建設に役立つ制裁の一部緩和といった「見返り」を得る考えだったとみられる。


だが、その後の実務者協議では、米国から制裁緩和を拒まれたうえ、共同声明に言及がない核関連施設の全リストや行程表の提出を求められた。正恩氏は昨年9月の平壌での南北首脳会談で、文在寅(ムンジェイン)大統領に「(米国が)リストを申告しろというのは、攻撃目標リストを提出しろということと同じだ」と不満を訴えた。


実務者の交渉が停滞するなか、正恩氏は今年1月、最高指導者になって4回目の訪中を実施。習近平(シーチンピン)国家主席に対し、米側に譲歩を迫るよう直訴した。正恩氏は、トランプ氏は直接交渉を拒み続けたオバマ前政権とは異なり、駆け引きが可能だとみている模様で、親書交換を通じてトランプ氏との直談判を繰り返し、再会談を実現させた。


ただ、今回の会談で肝心の非核化が進むかは見通せない。今月13日付の「労働新聞」は論評で、これ以上核兵器を製造しないとした正恩氏の「非核化の決断」を改めて宣伝している。一方で、すでに保有する「数十個」(韓国の専門家)の核兵器の廃棄には言及せず、「核兵器の保有」によって米国との交渉が実現したとも強調した。


正恩氏は、リビアのカダフィ政権が核開発を放棄した後、欧米の支援を受けた反体制派に打倒された経緯について「反面教師」としている可能性がある。韓国に亡命した北朝鮮の太永浩(テヨンホ)元駐英公使は「北朝鮮の目標はパキスタンのような核不拡散条約(NPT)枠外の核保有国としての地位獲得だ」と述べ、非核化に悲観的な見方を示している。(ソウル=武田肇)


核兵器、既に20個超保有


北朝鮮の「完全な非核化」には二つの工程を貫徹する必要がある。すでに保有する核兵器の廃棄と、将来にわたって核兵器の製造を防ぐ措置だ。


原子力発電などのために核物質を持つ非核国は、核不拡散条約(NPT)に加盟し、国際原子力機関(IAEA)に核物質の量や施設などを申告、査察を受け入れている。


しかし、北朝鮮は1993年にNPTからの脱退を表明。すでに核兵器も保有する。核不拡散問題に詳しい一橋大の秋山信将教授(国際政治学)は「IAEAの任務は平和目的の核物質の軍事転用を防ぐことで、核兵器廃棄の検証を行ったことはない。第三国への技術流出を防ぐためにも、核弾頭の解体・処分は米国を中心とした核保有国が主導して決めることになるだろう」とみる。


核兵器廃棄の手順について、国際的な取り決めはない。北朝鮮内で解体するか、核弾頭などの起爆装置を外したうえで米国など海外に搬出して解体するかは交渉の結果次第だ。取り出したプルトニウムなどは原発のMOX燃料などとして再加工するか、地中深くへの埋設処分が想定される。


核兵器の新たな製造を防ぐ措置も、米朝の交渉によって決まることになる。核施設を全て解体、廃棄するのか、原子炉やウラン濃縮施設などを平和利用のために残すのか。平和利用を認めるなら、北朝鮮をNPTに復帰させ、IAEAへの定期申告や査察の受け入れを行わせる必要がある。


ただ、こうした非核化の作業に実効性を持たせるためには、北朝鮮が核関連情報を正直に申告することが前提になる。人工衛星で見つけにくい地下施設などが未申告だと、再び秘密裏に核兵器を作ることも可能だからだ。


南アフリカは90年代初頭に保有する核兵器を自主的に解体後、IAEAの査察を受け入れて開発計画の放棄が国際的に認定された。リビアは2003年に開発計画を放棄した後にIAEAの査察を受け入れ、米国に関連機材や文書を渡して制裁を解除された。


北朝鮮は核兵器を少なくとも20個保有するとされる。すでに実戦配備の段階で、こうした国を非核化させた前例はない。北朝鮮政治が専門の礒崎敦仁・慶応大准教授は「正恩氏は体制の安全が保証されるとの確証が得られたら、非核化する覚悟もあろう。北朝鮮の人権問題に関心が薄いトランプ氏が交渉相手であることを千載一遇のチャンスと考えているはずだ」と話す。(鈴木拓也)


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