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街中のトイレが進化を続けている。近年、体と心の性が一致しないトランスジェンダーなどの性的少数者が利用しやすいよう工夫したトイレが出てきた。商業施設では、おしゃれな化粧スペースを設けるなど集客効果を期待する。トイレは時代を映す鏡となっている。
「フランス王妃の別荘」をイメージした天神地下街のトイレ(福岡市中央区、福岡地下街開発提供)
昨年12月に開業した福岡市の市総合体育館。メインアリーナや観客席のある1~4階の各フロアに「みんなのトイレ」とうたったトイレがある。男女別のどちらのトイレにも入りづらいトランスジェンダーなどの性的少数者にも気兼ねなく入ってもらう工夫だ。「昔なら『多目的トイレ』という名前だったでしょう」と館長の竹野直さんは語る。
福岡市総合体育館は「みんなのトイレ」を設け、性的少数者などに配慮する=福岡市東区
約6千人の学生が通う大分県別府市の立命館アジア太平洋大学でも、車椅子の利用者向けだったトイレに「どなたでもご利用可能です」と日本語と英語で貼り出した。学生の声を反映させた結果だ。大学の調査によると、回答を得た263人のうち54人が自らを性的少数者のLGBTの当事者だと答えた。
城山ホテル鹿児島では性的少数者に配慮した標示を出した=同ホテル提供
鹿児島市の城山ホテル鹿児島は、館内5カ所の個室トイレで同趣旨の標示を出す。宿泊客の15%が外国人で「性的少数者への対応が世界的に課題だ」(担当者)という。
TOTOの調査では、トランス…